10s フロントダブルに 11s リアを組み合わせてみるテスト

思いの外 XT の発売が早かったので、10s フロントダブルに 11s リアを組み合わせるテストを開始。取り付けて調整した段階ではほぼ問題なし。チェーンリングを逆回転させると、ギアにチェーンのローラーが乗り上げる位置があるのと、インナーでチェーンがFDに擦れるのが少々気になるが、フロント変速に大きな支障はない。支障はないどころか、リア10sで使用した場合との違いが分からない。
また、RDはGSでキャパシティが39T、F38-26xR40-11 だとトータルで2T足りないが、インナーxトップ時のチェーンたるみが意外と少ない(もっともこのような使い方はしないが)。当初SGSにする予定だったが、これなら十分である。

フロントシングルではどうなの?と思う人がいるかも知れないが、互換性検証をしても無意味なので試す予定はない。せいぜいチェーンラインがどうことかその程度のことだろう。やる前からできることが分かってることと、どうやってもできないことが分かっていることには手を出す必要がない。

ギア比のグラフはこちら。
トップとローは、10sで無理をした場合と同じ。何も変わっていない。カセットスプロケットが重くなって効率が落ちたと思う。実際、舗装路を走ってみると重くなっていることが明確に分かる。




シフトレバーの感触は、リリース側がかなり悪くなった。内部の潤滑が足りないかのような抵抗があり、取り付けて実際に操作してみても、SL-M980 の滑らかさにはほど遠い。ギュギュギュ、バチンみたいな。下品な内部抵抗のせいで、新しいローフリクションケーブルの意味が全然ない。誤って2段リリースしてしまう不器用な人向けの変更かも知れないが余計なお世話だ。
巻き取り側のレバーもCFRPになり、繊維感が透けていてダサい。


RDは地味。RD-M9000みたいにギトギトしていない代わりに、ひたすら地味である。改善点は、すべてのボルトが6角レンチで調整できるようになったこと。地味とかそういう評価以前にダサい。やはりRDはSRAMの方が好みだ。もっとも、日本でX0を買う金で XTR が2個くらい買えてしまうが。

白く見えるスペーサーは光が反射しているだけ、実際は黒

でかくてクソ重いカセットスプロケット。11-13−15−17−19−21-24-27-31-35-40。40T以外すべて鋼鉄製なので耐久性はありそうだが、とにかく重い。

それからこれ、新しいコーティングのケーブル、すでに毛羽立っているのだが?
ほれ。
・インナーケーブル交換時は、ノーズカバーの交換を推奨します。
* RD-M8000にノーズカバーはありません。
・インナーケーブル組付け時や、使用中に被覆が傷つくと毛羽立つ可能性がありますが機能に影響はありません。
以上、DM-RD0004-04 p14 より。
影響があるに決まってるだろ。だからXTRにはわざわざノーズカバーを付けるようになってるわけだし。これが約1万円の差なのか...。
ちなみに、XTR様専用のノーズカバーは「Y5PV48000」。


参考までに、各パーツの質量を以下に。10s時と比較してカセットスプロケットだけで100g近い増量になってしまった。XTRでそろえると、80g近い軽量化ができるが、費用は1万円以上高くなる。
  • SL-M9000:118g
  • RD-M8000:272g
  • CS-M8000:410g
  • CN-HG900:257g

舗装路を150kmほど走り、20段弱のコンクリ階段を降りたり、前後をむやみに変速しつつ土手のコンクリ斜面を登ったりした程度であるが、今のところ大きな問題は発生していない。これでうまくいくのなら、例の醜悪な不等ピッチ4ボルトクランクを使わないで済む。

フロントダブルかつ純正部品でワイドなギア比が欲しいがあのクランクは勘弁して欲しいという人は、一度フロント10s用クランクを自分の責任で試してみると良かろう。

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