唯一の Chris King 部品

ヘッドセットに Chris King 製品を使うと、上下ゼロスタックタイプでない限り自己主張の強いロゴが目立ちすぎる。Sotto Voce というステルスロゴの製品は地味すぎる。性能面と外観そしてやはりAhead Set の元祖という点で、ヘッドセットはやはり Cane Creek である。今後も Chris King のヘッドセットを使うことは絶対にないであろう。

で、使っていて一番わかりにくいBBに Chris King を入れてみた。フレームに取り付けてクランクをセットしてしまえば、BBがどのメーカーの物かなんてことはなかなか分からない。もともとシマノのまともなBBを使用していたこともあり、走ってみたところでプラシーボ以上の効果はない。私はスピリチュアルでオカルトな感覚を持ち合わせていないので、「走りが劇的に変わる」ことはあり得ない。ブラインドテストをしたら、SM-BB51 との違いも分からないはずだ。

現在日本の代理店から入手可能なBBは、ロード用とMTB用に分かれておらず、同一のBB本体に対して "Conversion Kit" を変えることでロードやMTB・BMXに取り付ける設計となっている。

Stanton Bikes Slackline Ti は、BBシェル幅が 73mm であるため、本体 "ThreadFit 24" に "Conversion Kit #12" を組み合わせて使用する。
キットには "H" Spindle Sleeve を左右にはめ込み、73mm 用のスペーサーを挟む。スペーサーはアルミ合金製。シマノのように樹脂製で、精度の低いBBシェルでもある程度使えてしまう懐の深さを、このスペーサーに求めてはいけない。Chris King のBBは、作業者やライダーがプロでない限り、精度や平行に病的な神経質さと度量の狭さを兼ね備えたフェーシング・タッピング マニアなユーザーが好む高品質製品である。

キットが2,000円超(直販ではUSD18)ってやり過ぎとか言ってはならない。プラスチック2個とスペーサー、ペラい「念のため用」スペーサー数枚がこの価格あっても、King である。値段が高いとか抜かす正常な感覚の人間はこんな道楽部品を買うべきではない。

雨の日に乗らない、泥や水たまりを避けて乗る、というような使用方法だと、SM-BB93を5回交換するまでの間に自転車本体か自分が寿命を迎えることだろう。
ただし、交換したシマノのBBはどうなるかというと単に廃棄するだけである。メンテナンス不可としているシマノBBは使い捨てが前提であり、メンテナンスをしながら出来るだけ長く使い、ゴミによる環境負荷を減らそうという Chris King の方針とは異なる。どちらを選ぶかは好き好きであるし、シマノBBもきついシールで意外と耐久性が高い。

取り付けてみるとこんな感じ。黒なので完全に埋もれている。これがつや消しだったらSM-BB90Aとほとんど見分けが付かないだろう。

盆休み最後の山

2週間ぶりくらいに山。今回はヨシ課長に加え、久々にナタジゴさんにも来て頂いた。フォークのオーバーホールをしてから初めての山となった。

駐車場では、長瀞ツアーで何度かご一緒したK様と本当に久しぶりにお目にかかる。我々は先に行き、ご同行の方ともどこかで会うだろうと思っていたが、1本走って峠に戻ってくるとK様のみ。暑さにやられて途中棄権されたとのこと。前回よりだいぶ涼しくなったとはいえ、この時期は気をつけないと取り返しの付かないことになる。ナタジゴさんも、車から自転車が落ちそうになってたし...。

フォークの調子は上々、購入時よりかなり良くなった。以前はリバウンド調整だけではだめで、やむを得ず空気圧を下げても減衰がイマイチだったが、オーバーホール後は100PSIで適正サグ、下りで少々突っ込んでも弾かれにくくなった。

SKFシールの効果は...、私にはよく分からなかった。ナタジゴさんのRevelationはハードアノダイズドのスタンションチューブで、こちらもかなり滑らかに感じ、現世代の黒チューブがさらに良くなったみたいなのだが、ブラインドテストをされたら分からないくらい私は鈍感である。そこへSKFシールを入れたところで、やはり私に区別が付くような差ではなかった。ここは長寿命に期待。

ただ、気になるのはダンパー側のボトムからのオイル漏れ。ボトムにあるのはリバウンド調整ノブで、このノブはエア抜き工具兼用のため(?)、六角形の黒い金属棒と一体化されている。ダンパーシャフトに締結するボルトは、この棒を受け入れるため中空で穴が貫通している。

当初はクラッシュワッシャー周辺からの漏れを疑ったが、ボルトの穴にペーパーウエスを紙縒りにして詰め込み、そいつを外れないように養生テープを貼り付けて1日走ったところ、オイルは穴からのみ発生していることが分かった。
漏れているオイルは、臭いから15wと推測。このオイルは左右に5mlずつ注入し、潤滑用のものと思われるが、シャフトに穴でも開いていない限り、このボルトから漏れてくることはなさそう。今のところ根本原因が分からないのでしばらく様子見。

RockShox Revelation RCT3 2015 のダストシール・オイル交換


タイヤの交換から始まって、最近はホイール組み立て、ようやくハードテールMTBメンテナンスの最終段階としてフォークのメンテナンスを行った。

購入した道具および消耗品類はこちら(一部手持ちを含む)。

作業後に撮影したため、転がっているシールは取り外したRockShox純正のもの
  1. Buzzy's Slick Honey
    Sram Butter 代用。
  2. Finish Line Shock Oil 5w, 15w
    純正オイル代用。
  3. 樹脂製計量カップ
    ダンパー用。
  4. 食品保存容器の下だけ
    フォームリング洗浄/ドブ漬け用。
  5. 塩ビソケット VP 30(外径46mm、内径38mm)
    純正ツール(RockShox Dust Seal Installation Tool)代用。
  6. Pedros Downhill Tyre Lever
    ダストシール取り外し用。
  7. Topeak PocketShock DXG
  8. 六角レンチ 1.5mm, 5mm
  9. オープンレンチ 10mm
  10. 金属製物差し
    ダンパーオイル油面簡易計測用。
  11. KTC セミディープソケット 24 B3M24
    エアスプリングおよびダンパートップキャップ用。
  12. KTC ラチェットハンドル BR3E-H
    滑り止めがないので油が付くと落としやすい。
  13. シリンジ
  14. クニペックス 穴用スナップリングプライヤー 19-60mm 4411J2
    今回は使用せず。
手順はまあ、製造元の "Service Manual -- SID and Revelation Rev A -- 2015 -- English" で。動画は、こちらが大変勉強になった。
MBR magazine - How to change the travel on your RockShox Solo Air fork

初回なので、オイルとグリスは純正品を使いたかったが、一部しか手に入りそうになかったため、すべてサードパーティのものにした。次回までに純正品をそろえておきたい。また、トラベルを150mmにしたいので、シャフトも併せて手に入れよう。

ダストシール圧入工具は、ヨシ課長に教えてもらったものを購入。あつらえたようなサイズ。純正品ならもう少しぴったりとはまるのだろう。


せっかくだからと、フォークに付属している予備シールではなく、SKFのダストシールを購入したが、正直何が変わったのかよく分からない。Foxから遅れること5年、ようやく一部のモデルで採用が開始したが、32mmのRockShox品は存在せず。SKF品は緑系でフォークの基本色である黒・赤・白に合わず気に入らない。余計な主張はしないで欲しい。



試走してみると、やたらとボトムアウトする。以前と同じ空気圧(65PSI)にすると、トラベル量が130mmになり、サグは40%近くに。
マニュアルどおりに 5w を 134ml 入れたはずだったが、何度か試行錯誤している過程で、オイルを捨てきらずにさらに134mlを入れてしまった可能性が。今更全ばらしは面倒くさいので、もう一方の目安である "82-88mm +/- 2mm" に従っておおざっぱに 87mm 位に調整。そうすると、今度は 95 PSI で以前に近くなった。

そもそも、フォークにはこのようなデカールで推奨空気圧が示されているが、何故に今まで65PSIで使えていたのか?
マニュアルの p28 には以下のように書かれている。
Suspension fluid volume is critical. Too much suspension fluid reduces available travel, too little suspension fluid decreases damping performance.
オイルが多すぎると、ダンパー内の空気の割合が減り、エアスプリング側を同じ空気圧にしても正しいトラベル量(ここでは140mm)まで伸びきることが出来ない。
出荷時にトラベル量が少ないということはなかったので、逆方向、つまりオイルが少なすぎたのでは、と推測している。

普段はサグを25%以上取るようにしているが、その際の乗り手重量は75kgくらいになる。デカールの指示に従うと 85-115PSIのところだ。基本的に出荷状態をベンチマークとして考えることが多いのであるが、RockShox に関してはあまり信用出来ないと思われる。デカールもまっすぐ貼り付けられていないことから、品質管理の程度は高くないのであろう。

Foxを日本の代理店経由で購入した場合はこのようなことはまずないだろう。過去に F120RLC と Float 150RLCを使用したが、いずれもマニュアル通りに設定すれば、他に調整をする必要がなかった。


調整後の試走は明日以降に。

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