Magura MT6 を試す

ロードバイクに乗っていた頃から、シマノ以外のブレーキを使ったことがなかったが、ついカッとなってMagura MT6 を導入。下痢続きで今週末は出走を取りやめたため、山ではまだ試していない。

セットで購入すると、レバーとキャリパーが2200mmのホースで接続され、ブリーディング済みの状態で出荷される。これでは長すぎるので、使用中のBL-M985/BR-M985のホース寸法を荷造り紐を沿わせて測り、これに合わせてホースを切断する。

ホースの挿入位置が狂わないよう、ホースに印字された製品番号が、マスターのどこら辺に来るのか白ペンで印をつけておく。
今回は、ねじ込むに従い、ホースが共回りしてしまったので、締結し終わったときにホースが目標の位置に来るようにするのはちょっと手間がかかった。
焦点が後ろに..

コネクティングインサートの叩き込みは、knipex プライヤーレンチを使用した。保持する力が非常に強いため、この程度の作業ならバイスは不要である。
ちなみに、シマノの製品には付属するこのブロックはブレーキには付属しない。サービスキットを別途購入すると1セットだけ入っている。

ホースを短くしたらエア抜きが必要。参考にした動画はこれ。
わざわざ Magura Pro Bleeding Kit を購入したのであるが、シリンジをマスター側に挿すのが一番簡単。不定期のエア抜きもこの方がシマノ漏斗と同じ感覚でできるので良い。
栓がないので、ルームフレグランスのスティックで代用。穴のサイズがちょうど良い。

マグラは長いレバーが特徴で、手のでかそうな国でも、レバーが遠すぎる点が大変な不評を買っていた。最近まで最も短いものでも2フィンガーしか存在しなかったが、昨年ようやく1フィンガーが発売された。ただし、製品に標準装備しているのは、2017年5月時点で MT Trail Sport と MT7 Danny MacAskill のみ。それ以外は自分でなんとかする必要がある。

よって、今回も自分でなんとかする。
MT6 の場合、専用工具は不要で、4mmピンポンチで叩き出し/叩き込みを行う。
でもこれ、アレだ、「MT6 six」と書かれたラベル、これを「カバー」と Magura は呼んでいるが、クランプ側の半分くらいを糊でくっつけてあるだけのペラペラ素材なので、作業を誤ると曲がったり剥がれたりする。
ピンの交換はこれを持ち上げて(半剥がし状態)、隙間からピンポンチをピンに当てて叩くという作業となる。面倒くせえ。
それから、クランプボルトがまるでタッピングボルト。本体がCFRPみたいな素材だからか知らんが、左右で4つ、どれもボルトの締め付け具合が異なる。予想通り製品の均一性はシマノが世界一である(しかしシマノはキャリパーからお漏らしの可能性という致命的な問題がある)。本当にダサいボルトだ。

いろいろグダグダしたが、何とか完成。細かな問題があっても、ブレーキの性能が良ければ文句ない。
ブレーキを断続的に引きずりながら20分くらい走り、舗装路でフルブレーキングしたりした後、通常の制動を行ってみた結果は以下の通り。
  1. 効かない
    同じ制動力を得るために必要な力は、シマノBL-M985/BR-M985の方が少なくて済む。長時間使用した場合にかなりの差が出そう。
    シマノは、フロントのみフルブレーキングで舗装路でも簡単にロックできるんだが、マグラは今のところ不可能。
    この効かなさ具合を「コントローラブル」というのはちょっとよく分からない。
  2. パッドがローターに接触した後は固い
    シマノはパッドがローターに接触した後、まだレバーがそれなりに握り込める柔らかさがあったが、Magura はそれがかなり固い感じ。シマノのエアー抜きが不完全だったわけではないので、ブレーキシステム全体の剛性・設計が違うのかも。
  3. レバーが太い
    BL-M985は13.5mm位、MT6は16mm位。見た目以上に指先の感触が大きく異なる。
  4. クランプが太くてシフターが遠くなる
    クランプが太いので、3.5mm位シフターがステム寄りになる。そのため、シフティングする際は手をずらす必要がある。
  5. マスターが無駄にでかすぎてハンドルバーを下げられない
    マグラのマスターは、BL-M975辺りのレバーと似た感じで、トップチューブが大きくスローピングしていないとハンドルバーにレバーがぶつかる。もう登りは完全に諦めるしかない。多分、Tomac Automatic 120 みたいに、シートチューブ付近で上向きになるようなフレームじゃないと使えないな。ぶつかるのを気にしなければ何でもOK。
  6. レバーを引くとかすかな異音
    使用に全く問題く、部屋で整備していると気になる程度(レバー交換前から)。
1については、パッドを変えてみてどうなるか後日確認予定。2と3は慣れの問題。4は Shiftmix で配置を変えられれば解決するかも。


ところで、2017年モデルは BAT が標準装備されなくなるとのことで、ショップの画像もその通りになっているのだが、届いたのは BAT 付きだった。
BATはレバーの空引き量を調整するための仕組みだが、空引きを増やすとレバーが遠くなるので最短にセットした。
リーチ調整は最もグリップの近くに。シマノに比べるとレバーがかなり遠いので、一旦これくらいの位置から始めてみる。

まだ山を走っていないが、現時点では、シマノの方が疲れないブレーキである予感。MT6を買う金があったら、サーボウェーブなしのXTRを買った方が良い気がする。
「サーボウェーブなし」が大切。サーボウェーブなんか他社に存在しないのに、比較する際に、サーボウェーブ付きを引っ張り出して「シマノのブレーキはローターに当たった後の制動力変換が云々」と評するのは公平性に欠ける。しかし、Deore 以上の1フィンガーレバーででサーボウェーブなしは、現行モデルで XTR(BL-M9000)しかないのが痛い。同じようなグレードで比較しようとするとサーボウェーブばかりだ。

例えば下り向けブレーキセットなら、MT5はZee、MT7はSaintと、それぞれ比較することになるが、サーボウェーブ付きしかないので、「シマノ=サーボウェーブ」みたいにするしかない。

最後に、今回使用したツール一覧を紹介する。
これくらいの工具がそろわないとか、作業に自信がない、あるいは「自転車は乗るものであっていじるものではない」という普通の感覚を持つ人は、信頼できるローカルショップでブレーキセットを購入し、適切な工賃を支払って全作業を依頼するのが良い。
一般的なブリーディング作業の練習のためにシマノの最廉価製品を買ってみるのもありかもしれないが、工具は別途購入する必要がある。
  1. 鉄工ハンマー
    ピン抜き/圧入
  2. ピンポンチ(4mm)
    ピン抜き/圧入
  3. UNEX ホースカッター
    ブレーキホース切断
  4. Knipex プライヤーレンチ
    コネクティングインサート挿入
  5. 六角レンチ
    6mm:リアブレーキ固定
    5mm:フロントブレーキ固定、シマノブレーキ取り外し
    2mm:シマノブレーキ取り外し
  6. T25レンチ(Magura 製品に付属)
    Magura ブレーキクランプ固定、その他 Magura 各種ボルト共通
  7. Magura clamping blocks
    コネクティングインサート挿入
  8. オープンヘッドレンチ(8mm)
    ブリーディング(キャリパーに金具付きホースを固定する際に使用)
  9. 携帯ラチェットレンチとT25ヘッド
    ディスクローター取り付け
  10. Magura 金具付きホース(Pro Bleeding Kitに付属)
    ブレーキキャリパーとシリンジを接続する
  11. シリンジx2
    1つはピストンを外し、マスター側のポートに差し込んで使用
  12. トルクレンチ(1~6Nm)
    ディスクローター取り付け
  13. トルクレンチ(5~40Nm)
    ブレーキキャリパー取り付け

体調不良のまま走行

5月3日に撮影
最寄り駅前の松屋で牛定を食ってから走りに行くのが常となっているが、この日は少々気分を変えて牛丼大盛りに。しかし、まずい。胃腸の具合が今ひとつで、何を食っても大してうまく感じないのが原因だが、牛丼に関して言えば吉野家の方が口に合っているのは間違いない(松屋では「牛めし」という商品名)。学生の頃に池袋でバイトをしていた頃は、週に何度も特盛りを食ったりしたが、今じゃそんな気には到底なれない。

3:30に起床、ダラダラして7時前くらいに現地に到着、いつもの道を走ったが、最後までMTB乗りはおろか、トレールランナーや山歩きの人にも会わなかった。おかげで蜘蛛の巣払いの先陣を切ったことになってしまった。
5月6日に撮影(電話機カメラ)

5月6日に撮影(電話機カメラ)

5月3日に撮影
まあ、いずれにしても今の時期は新緑が目に優しく、また、寒くもなく暑くもなく湿度が適当で走りやすい。

5月3日まではコンチのTrail King/Rubber Queen を使っていたが、やたらとシーラントが漏れるとか、グリップが自分好みではないとか、いろいろ不都合があったため、結局Maxxisの Minion DHR II に戻した。大量にある手持ちの26erコンチタイヤをどうしたものか?

Lewis LHTというTrickstuff Maximaそっくりさん

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