Hope Pro 4

今年はもう一度爆音ハブにしてみようかと思い、例の Stan's NoTubes Flow EX で組んだ Hope Pro 2 Evo ハブのホイールを準備中。しばらく放置していたため埃がかぶっていたのと、せっかくなので2015年用のデカールを注文中。デカールが届いたらいよいよ爆音ハブの使用再開である。

Hopeの新製品がいよいよ販売開始となる。

販売開始に先だって、"Hope Pro 4: Behind the Hubs" というビデオが公開された。大変興味深い内容で、切削から検査まで手を抜かずにやっている様子を見ていると、手持ちのハブが壊れたら次もHopeにしよう、と思ってしまう。

製造に使用している機械のうち、読み取れたもののメーカーは、日本が7社(松浦機械製作所とブラザー工業・高松機械工業・中村留精密工業・ファナック・シチズンマシナリー[ミヤノ]・オリエンタルモーター)、それ以外はスイスが2社、イギリスが2社、ドイツが1社、イタリアが1社であった。特に前段階の工程における日本メーカーの採用率が高い。

松浦機械製作所
ブラザー工業
高松機械工業
ファナック
シチズンマシナリー[ミヤノ]
オリエンタルモーター


Hope のハブは、Pro 2 Evo が一番売れたようで、2011年の発売から6年目となる2016年にPro 4 としてフルモデルチェンジとなった。
つい最近、マイナーモデルチェンジの Pro 2 Evo 40T が出たばかりと思っていたところなので少々驚いた。意外と短命に終わってしまったようだが、エンゲージメントポイントだけ見れば、Pro 4 が 44T なので大差ない。

年末大(おお)バーホール+年始大バーホール

年末は恒例のクリーニング大会を行っていた。29日に長瀞で走り納めをした後、翌日こんな感じで例年通りの清掃作業。
 カセットスプロケットは外して食器用洗剤に浸した歯ブラシでギアの歯を1つずつこする。11-40Tなので、合計で253個の歯と242個の底面に溜まった油泥汚れをチマチマ落としたことになる。

 RDの傷はバリを取ってピカリング。

BBは取り付けてから半年くらい、表面に泥が溜まっていただけで内部の汚れはなし。BBシェルは、シートチューブから落ちてきた埃が僅かに目につく程度であった。雨天走行をせず、ぬかるみをほとんど走らなければこの程度である。

フォークのデカールを交換した。Slick Graphics に、Pike 2015モデル用をベースにしたカスタマイズデカールを注文。意外と早く届いた。Pike と Revelation は設計が異なるため、Pike用デカールはちょっとはみ出し気味であるが、それほど違和感はないように見える。

そして、ずっと気になっていたフォークを年始にオーバーホール。150mmのシャフトに交換した頃から、初期動作が渋くなり、年末頃にはサグが1mmも取れないくらいの状態になっていた。
そこでいったん全てバラし、特に動きの悪いエア側、特にフローティングシール辺りにグリスを塗りたくる。ロワーレッグをセットせずに手で動かした感触だけでも、グリスアップ前とは段違いの滑らかさになった。

これでよしと、最後の手順のバスオイル注入作業に。

ダンパー調整用ノブを取り付けずにロワーレッグを押し込んだところ、ダンパーから何か射出された!
写真のダンパーユニット上部穴から、銀色の金属棒とスプリング・鋼球(2個)が飛び、オイルがちょっと噴き出していた。もう一度作業マニュアルと読むと、ロワーレッグの取り付けはノブ取り付け後となっていた。ただし、手順を逆にした場合に何が起こるかまでは書いていない。書いていないからと言って、手順を変えて良いことにはならない。作業順序にはやはりそれなりの理由がある。

構造的には、金属棒の上部にある穴に、スプリングを挟んで2個の鋼球をセットし、さらにナットを取り付けることで、金属棒の射出を防いでいるようである。2個の鋼球とスプリングは、LSCノブのクリックを発生させているだけで、金属棒を押さえる役割はそれほどでもないが、中途半端な位置(クリックとクリックとの間)で使用するのはやめた方が良さそうである。


一連の作業後、フロントフォークは新品の Pike RCT3 に近い滑らかさになった。下りで段差に突っ込んでも「プルン」といなしつつもボトムアウトせず、大きな安心感を得られた。

初期の作業ミスが原因とは言え、たったこれだけの作業でここまで性能が変わるのであれば、バスオイルを変えてみるとかまだまだ色々試す余地がありそうである。

いろいろやってます


折悪く何週か続けて走らないうちに銀杏の落葉が枯れてしまい、今年は黄色い絨毯はなし。たまたま目に入った赤い色を何とか収めて撮影。もう少し広角の方が撮りやすかった。

ということでだいぶ久しぶりに走った山はもうすっかり冬になっていて、暖冬といえども風が強く立ち止まるとあっという間に体が冷える。出ようかどうしようか、家でグズグズしているうちに普段より2時間も遅れることになった。

本日試したのは、このハンドルバー。Spank が今年から2つの製品に投入した "Vibrocore"。低密度素材をハンドルバー内部に流し込み、走行中の振動を低減するというスピリチュアルな技術。いつもの所を走ったので速度はかなり緩め。プラシーボ効果は大変なもので、普段より手の痛みが少なかった(気がする)。
もともとの幅は800mmもあるべらぼうなハンドルバーであるが、姿勢が心地よくないため760mmに切断し、断面は当然ピカリング。

ステムはニコイチな方向で。
シルバーでボルトの色まで同じだとなんだか締まりがない印象を受けたため、手持ちの Elite X4 黒ステムからボルトだけ抜いて交換。トップキャップは Cane Creek のヘッドセット付属品、スペーサーは同じく Cane Creek 110 で Interlok 。ツライチっぷりがなかなか良い。

2本目に行く途中でナタジゴさんとヨシ課長に出会った。ナタジゴさんは激務のためやつれ無精髭が浮き、ヨシ課長はBTR Ranger に800mmのバー、それにTOGSを付けるという、トレールライドとして全く意味不明ですばらしく挑戦的な部品構成となっていた。サドルは私がケツの痛みのため数回で使用を中止した セッレ・サンマルコ  Squod Team の色違い。写真撮りながらダラダラ走っていたので追いつかれると思ったが、結局この後は会わずじまい。

気象概況では「穏やかな陽気」などとほざいていたが、風が強くて山も都内もかなり寒い。8時頃は着すぎかと思ったが、時間がたつに従ってどんどん風が強まり、帰りは上着なしでは凍えるくらいになった。

とまあ、こんな感じで撮影半分、走行半分くらいで4時間くらいを過ごした。上の写真を撮った場所は分岐を間違えてすぐの所。気が散っていたせいか、最後の右折をなぜか直進。登り切ったところで下り始めると、急に辺りが暗く陰気になった気がした。これ以上進むと何かまずいことになりそうな、そんな予感が視覚に現れたように。
私はいわゆる「霊的なもの」の存在は全く信じていないが、この瞬間は今思い出しても不思議である。直感に従い、来た道をそのまま引き返し、無事に下山。

意外と良い感じのグリップ

最近発売された ODI Elite Pro 。Rogue とか、Ergon GE1 とか、太めのグリップが好きなので、"without feeling bulky"なグリップは手に合わないと思っていたが、"provides padding where it is needed most" を信じて使ってみたところ、細すぎる感じはなく、しばらく使ってみようという気になった。

Ergon GE1 は、エンドがかなり厚くなっているため、左右で15mmほど幅が広くなる。こちらは標準的で、+5mm。

また、いくつかパーツを交換し、現在はこんな状態。
Renthal Duo Stem のノイズが再発したため、Thomson Elite に戻した。ライズが不足するため、30mmの Spank Oozy Trail 760へ。実測で765mmあったため、左右5mmずつ切断し、グリップを嵌めた状態でちょうど760mmとなった。Renthal Fatbar Lite と比較すると、やはりあまりしっくりこないスイープ角度であるが、色は気に入っている。このくらいの幅なら、もう少しバックスイープが深いと良いのかな?

Revelation RCT3 のシャフト交換、そして久しぶりの長瀞

たしか、市販されている RockShox Revelation RCT3 SA は、140mmまでだったはずで、そのときはこれで十分と思っていた。タイヤは少し軽めの Maxxis Minion DHR II 3C EXO TR とか、自分としては少々登り指向に。

しかし、先日、思い立ってトラベル量を 150mm に変更。タイヤのエアボリュームが増えた上に、トラベルが10mmも伸びてフロントが上がり気味になるが、安心して下るにはこれくらいがちょうど良い。
こういった部品単位で購入可能なRockShox製品は、DIYが可能な道具さえあれば、吊しにない組み合わせなど色々試せるので良い。

で、7月以来の長瀞は、メンバーが面白かったこともあり、かなりすっきりする1日となった。

今回、空気圧をフロントを28PSI、リアを32PSI位に。リアがちょっと滑るかな、と思ったが、路面が乾いていたため全く問題なし。フロントは高いエアボリュームで、先日の少し高めの山と同じく、下りでの安定感が揺るぎない。リアのリム打ちもなし。30PSIでは低すぎた。あれじゃTLRでもパンクする。

そしてこんなことを。
Renthal Duo Stem(50mm)。これは、かなり以前に購入し、長瀞で知り合った方に500円で売り、それをまたコーラ1本で「買い戻し」たものである。国内での定価が15,000円近く、もう1つ新品を買うのためらっていたので実にありがたい。
ステム上側に Nukeproof ロゴの付いたスペーサーを乗せたせいでロゴだらけになり、だいぶうるさくなった。

この状態で近所を八の字走行してみたところ、割と具合が良い。ステムのRenthal ロゴが好みでないが、しばらくはこれで行こうと思う。
もちろん、精度に関してはThomson と比べるまでもなく、低い。以前手放したのが確かこれが原因だった気がする。このステムに替えたとたん、ヘッド周りからパチパチ小さな異音が発生し始めた。見た目は気に入っているが、これが解消しないのであれば、もう完全にお蔵入りだ。


余談だが、長瀞の親分に教えてもらって気づいたのであるが、ロワーレッグだけ交換すれば、フォークは650Bに出来るようである。Rev RCT3 SAであれば、sram のホームページにあるスペアパーツカタログに乗っている部品番号(11.4018.006.186)で注文出来そう(デカールは付属しない)。今のところ交換する予定はないが。上手くやれば、新品の完成品をもう1本買うよりかなり安く上がりそうである。


[2015/11/25 追記]
duoステムの異音について海外の事例を調べたところ、原因と解決方法が分かった。
異音はステム本体から発生しているようで、上下が接する面にグリスを薄く塗布したところ、いったん解消。これはつまり、ハンドルバーから負荷を受けた際に、ステム本体がずれることを意味する。
同様の構造である他社のコピー製品ではどうなのだろうか?

少し高めの山を少し遅めに出発して走る

久しぶりにナタジゴさんにお目にかかった。

いつも通り3時に起床し、始発に乗って早朝に最寄り駅に到着。用足し後飯を食って歯を磨き、水分と軽食を買い込む。30分くらい後にヨシ課長に拾ってもらい、集合場所へ。当初はいつものところを軽く走る予定であったが、ナタジゴさんたってのご希望でワープ可能な山を走ることになった。

ここしばらく、ハンドルバーをカーボンにしてみたり、技量に見合わない細いタイヤを使用したりしていたが、今ひとつうまく乗れてない感じがしたため、前輪に Continental Trail King 2.4 を装着。以前はUST版(およそ1,200g)を使用していて、その安定感は実感出来ていた。今回はその Protection 版。使用後のペ○スのようにだらしない様子のUSTとは異なり、Protectionはプラスチックぽい硬さを持ち、パッケージから取り出すとタイヤだけで自立する。その反面、リムへの装着難易度は過去最高である。

通常は、チューブを入れてフィットさせておけば数日でクセが取れるものだが、これはデッドストックであったためか、頑固な折り目がなかなか消えず、久しぶりに装着時に汗をかいた。

当日の路面は9割方ドライで、一部粘土的に表面がヌルヌルであった。こういうところはどんなタイヤでも滑るので、膝当てを持ってこなかった私は過去の不全骨折を思い出し、かなり緊張した。
それ以外の所は、特に細かいことを考えずに突っ込んでいっても弾かれたり滑ったりすることがない。960gと、最近のAM系タイヤとしては重めで、FR系としては普通の重量だが、この安心感はやはり捨てがたい。

で、次はハンドルバー。
740mmで今まででもっとも幅が広い。しかし、左右10mmずつ広がっただけなので、660mm→700mmほどの新鮮さがなかった。
CFRPバーを使っているのに何故今更アルミバーなのかと言えば、色の少なさだ。10年くらい前と比べればCFRPは特殊な素材ではないのに、未だに「見てください、カーボンですよ、すごいでしょう」的に繊維を見せびらかしがちである。フレームのCFRPは様々な色があるのに、ハンドルバーに限ってはいつまでたっても辛気くさい色使いばかりだ。

使ってみた感想としてはは、CFRPハンドルバーとの違いがよく分からない、である。Fatbar Lite は軽いとは言え、前の ProTaper Carbon 720 AM から70g近い重量増となる。走行中にそれは分からないし、振動云々も鈍感な私には感じ取れない。違いが分からない鈍感人間には、高級なCFRPは金の無駄である(多分)。


BL-M8000/BR-M9020

体調不良やら長雨やらでしばらく山を棄権中。やることがないので、ブレーキの本格的エア抜きを1年以上ぶりにやってみた。
結果、何も変わらず。そして、レバーを弾いていると内部から延々とエアが発生することを発見。多分こういう設計なんだろうと思ったが、試みに以前から気になっていたこれらを導入。

XTR様と比べればいろいろとケチが付くXTだが、ちょっと重くなる以外、性能が特段劣っているわけではない。ただ、先代のレバー(BL-M785)に対して、私は外見だけで拒絶反応を起こしていたため、XTR様の半値くらいであっても買う気にはなれなかった(ちなみに最初に使った油圧ディスクブレーキはBL-M775)。

で、現行のBL-M8000であるが、ワンピース構造となり、XTR様に近くなった。また、塗装の具合も785より高級感がある。黒に見えるように撮影した画像が多数見つかるが、実際はラメ入りダークグレーに近い。785は、こちらの方が障害に対する解析を行い、対策を実施されたように、構造的欠陥があったようである。

BL-M988 で気になったサーボウェーブは、BL-M8000では気にならないレベルに。988では、カムの動作が不適切で、レバー比が変化する位置で大きな抵抗が発生していたが、8000ではほとんどそれを感じられない。これはハンドルバーに取り付ける前でも同じ。988の「なんだこの引っかかりは?」がなくなった。985に比べるとレバーを引く力は余分に必要だが、あの初期抵抗が減っただけでかなりの改善といえる。

この点についての記事を探したが、今のところかなり少ない。そもそもこんなことを気にするような人間は神経質で少数派なのかも。

キャリパーもXTにしたかったが、よくよく調べてみるとピストンがGFRPになっていない。ヨシ課長にはウソ情報を流してしまい大変恐縮であるが、XTは今回もセラミックピストンである。
ということで、こちらもバカ高いXTRである。BR-M9000は塗装がひどく安っぽいし、985とは構造が異なるので、ちょっと重いけど9020に。

985と同じモノブロックであるが、下部のトルクスボルトはなんだろうか?985はバンジョーボルトのほかに真ん中にでかいボルトが1本刺さるだけだったが、今回はここにもう1本追加になっている。
余談だが、パッド固定ボルト脱落防止ピンを写真のように取り付けるとキャリパー本体の塗装が剥げるので注意。この向きから90°倒した向きが正解。

BR-M9020はフィン付きメタルパッドが付属するが、2セットとも左用ばかりが入っていた。初物でハズレを引く私の能力は未だ衰えていないことが分かった。これは週明けにシマノへ確認予定。やむを得ず近所のテスト走行では先代のF03Cを使用した。
パッド本体には方向性がないので使っていても問題はないが、不完全なまま使用するのは気分が悪いので交換させたい。

制動力に関しては、985に慣れていると逆に弱くなった印象を受ける。サーボウェーブの「パッドがローターに当たり始めてからパッドの移動が遅くなる」設計が影響しているのか、ホイールを完全にロックさせるまでのポイントが少し奥になった感じ。しばらく988を使っていなかったのでこの感覚を忘れてしまっていた。


[2015/09/18 追記]
パッドは無事、というか、なぜか2台分が返送された。つまり、左4枚と右4枚。さすがシマノといったところである。

唯一の Chris King 部品

ヘッドセットに Chris King 製品を使うと、上下ゼロスタックタイプでない限り自己主張の強いロゴが目立ちすぎる。Sotto Voce というステルスロゴの製品は地味すぎる。性能面と外観そしてやはりAhead Set の元祖という点で、ヘッドセットはやはり Cane Creek である。今後も Chris King のヘッドセットを使うことは絶対にないであろう。

で、使っていて一番わかりにくいBBに Chris King を入れてみた。フレームに取り付けてクランクをセットしてしまえば、BBがどのメーカーの物かなんてことはなかなか分からない。もともとシマノのまともなBBを使用していたこともあり、走ってみたところでプラシーボ以上の効果はない。私はスピリチュアルでオカルトな感覚を持ち合わせていないので、「走りが劇的に変わる」ことはあり得ない。ブラインドテストをしたら、SM-BB51 との違いも分からないはずだ。

現在日本の代理店から入手可能なBBは、ロード用とMTB用に分かれておらず、同一のBB本体に対して "Conversion Kit" を変えることでロードやMTB・BMXに取り付ける設計となっている。

Stanton Bikes Slackline Ti は、BBシェル幅が 73mm であるため、本体 "ThreadFit 24" に "Conversion Kit #12" を組み合わせて使用する。
キットには "H" Spindle Sleeve を左右にはめ込み、73mm 用のスペーサーを挟む。スペーサーはアルミ合金製。シマノのように樹脂製で、精度の低いBBシェルでもある程度使えてしまう懐の深さを、このスペーサーに求めてはいけない。Chris King のBBは、作業者やライダーがプロでない限り、精度や平行に病的な神経質さと度量の狭さを兼ね備えたフェーシング・タッピング マニアなユーザーが好む高品質製品である。

キットが2,000円超(直販ではUSD18)ってやり過ぎとか言ってはならない。プラスチック2個とスペーサー、ペラい「念のため用」スペーサー数枚がこの価格あっても、King である。値段が高いとか抜かす正常な感覚の人間はこんな道楽部品を買うべきではない。

雨の日に乗らない、泥や水たまりを避けて乗る、というような使用方法だと、SM-BB93を5回交換するまでの間に自転車本体か自分が寿命を迎えることだろう。
ただし、交換したシマノのBBはどうなるかというと単に廃棄するだけである。メンテナンス不可としているシマノBBは使い捨てが前提であり、メンテナンスをしながら出来るだけ長く使い、ゴミによる環境負荷を減らそうという Chris King の方針とは異なる。どちらを選ぶかは好き好きであるし、シマノBBもきついシールで意外と耐久性が高い。

取り付けてみるとこんな感じ。黒なので完全に埋もれている。これがつや消しだったらSM-BB90Aとほとんど見分けが付かないだろう。

盆休み最後の山

2週間ぶりくらいに山。今回はヨシ課長に加え、久々にナタジゴさんにも来て頂いた。フォークのオーバーホールをしてから初めての山となった。

駐車場では、長瀞ツアーで何度かご一緒したK様と本当に久しぶりにお目にかかる。我々は先に行き、ご同行の方ともどこかで会うだろうと思っていたが、1本走って峠に戻ってくるとK様のみ。暑さにやられて途中棄権されたとのこと。前回よりだいぶ涼しくなったとはいえ、この時期は気をつけないと取り返しの付かないことになる。ナタジゴさんも、車から自転車が落ちそうになってたし...。

フォークの調子は上々、購入時よりかなり良くなった。以前はリバウンド調整だけではだめで、やむを得ず空気圧を下げても減衰がイマイチだったが、オーバーホール後は100PSIで適正サグ、下りで少々突っ込んでも弾かれにくくなった。

SKFシールの効果は...、私にはよく分からなかった。ナタジゴさんのRevelationはハードアノダイズドのスタンションチューブで、こちらもかなり滑らかに感じ、現世代の黒チューブがさらに良くなったみたいなのだが、ブラインドテストをされたら分からないくらい私は鈍感である。そこへSKFシールを入れたところで、やはり私に区別が付くような差ではなかった。ここは長寿命に期待。

ただ、気になるのはダンパー側のボトムからのオイル漏れ。ボトムにあるのはリバウンド調整ノブで、このノブはエア抜き工具兼用のため(?)、六角形の黒い金属棒と一体化されている。ダンパーシャフトに締結するボルトは、この棒を受け入れるため中空で穴が貫通している。

当初はクラッシュワッシャー周辺からの漏れを疑ったが、ボルトの穴にペーパーウエスを紙縒りにして詰め込み、そいつを外れないように養生テープを貼り付けて1日走ったところ、オイルは穴からのみ発生していることが分かった。
漏れているオイルは、臭いから15wと推測。このオイルは左右に5mlずつ注入し、潤滑用のものと思われるが、シャフトに穴でも開いていない限り、このボルトから漏れてくることはなさそう。今のところ根本原因が分からないのでしばらく様子見。

RockShox Revelation RCT3 2015 のダストシール・オイル交換


タイヤの交換から始まって、最近はホイール組み立て、ようやくハードテールMTBメンテナンスの最終段階としてフォークのメンテナンスを行った。

購入した道具および消耗品類はこちら(一部手持ちを含む)。

作業後に撮影したため、転がっているシールは取り外したRockShox純正のもの
  1. Buzzy's Slick Honey
    Sram Butter 代用。
  2. Finish Line Shock Oil 5w, 15w
    純正オイル代用。
  3. 樹脂製計量カップ
    ダンパー用。
  4. 食品保存容器の下だけ
    フォームリング洗浄/ドブ漬け用。
  5. 塩ビソケット VP 30(外径46mm、内径38mm)
    純正ツール(RockShox Dust Seal Installation Tool)代用。
  6. Pedros Downhill Tyre Lever
    ダストシール取り外し用。
  7. Topeak PocketShock DXG
  8. 六角レンチ 1.5mm, 5mm
  9. オープンレンチ 10mm
  10. 金属製物差し
    ダンパーオイル油面簡易計測用。
  11. KTC セミディープソケット 24 B3M24
    エアスプリングおよびダンパートップキャップ用。
  12. KTC ラチェットハンドル BR3E-H
    滑り止めがないので油が付くと落としやすい。
  13. シリンジ
  14. クニペックス 穴用スナップリングプライヤー 19-60mm 4411J2
    今回は使用せず。
手順はまあ、製造元の "Service Manual -- SID and Revelation Rev A -- 2015 -- English" で。動画は、こちらが大変勉強になった。
MBR magazine - How to change the travel on your RockShox Solo Air fork

初回なので、オイルとグリスは純正品を使いたかったが、一部しか手に入りそうになかったため、すべてサードパーティのものにした。次回までに純正品をそろえておきたい。また、トラベルを150mmにしたいので、シャフトも併せて手に入れよう。

ダストシール圧入工具は、ヨシ課長に教えてもらったものを購入。あつらえたようなサイズ。純正品ならもう少しぴったりとはまるのだろう。


せっかくだからと、フォークに付属している予備シールではなく、SKFのダストシールを購入したが、正直何が変わったのかよく分からない。Foxから遅れること5年、ようやく一部のモデルで採用が開始したが、32mmのRockShox品は存在せず。SKF品は緑系でフォークの基本色である黒・赤・白に合わず気に入らない。余計な主張はしないで欲しい。



試走してみると、やたらとボトムアウトする。以前と同じ空気圧(65PSI)にすると、トラベル量が130mmになり、サグは40%近くに。
マニュアルどおりに 5w を 134ml 入れたはずだったが、何度か試行錯誤している過程で、オイルを捨てきらずにさらに134mlを入れてしまった可能性が。今更全ばらしは面倒くさいので、もう一方の目安である "82-88mm +/- 2mm" に従っておおざっぱに 87mm 位に調整。そうすると、今度は 95 PSI で以前に近くなった。

そもそも、フォークにはこのようなデカールで推奨空気圧が示されているが、何故に今まで65PSIで使えていたのか?
マニュアルの p28 には以下のように書かれている。
Suspension fluid volume is critical. Too much suspension fluid reduces available travel, too little suspension fluid decreases damping performance.
オイルが多すぎると、ダンパー内の空気の割合が減り、エアスプリング側を同じ空気圧にしても正しいトラベル量(ここでは140mm)まで伸びきることが出来ない。
出荷時にトラベル量が少ないということはなかったので、逆方向、つまりオイルが少なすぎたのでは、と推測している。

普段はサグを25%以上取るようにしているが、その際の乗り手重量は75kgくらいになる。デカールの指示に従うと 85-115PSIのところだ。基本的に出荷状態をベンチマークとして考えることが多いのであるが、RockShox に関してはあまり信用出来ないと思われる。デカールもまっすぐ貼り付けられていないことから、品質管理の程度は高くないのであろう。

Foxを日本の代理店経由で購入した場合はこのようなことはまずないだろう。過去に F120RLC と Float 150RLCを使用したが、いずれもマニュアル通りに設定すれば、他に調整をする必要がなかった。


調整後の試走は明日以降に。

タイヤレスリムに換装

Aaron Gwin さんのタイヤレス走行で有名な、DT Swiss EX471 へ換装してみた。ホイール組みが久しぶりだったにもかかわらず、基礎を復習していなかったため、スポークホールの向きと逆にスポークを通したり、1つ遠いフランジ穴を使ってむちゃくちゃになったりと、色々と問題が発生した。自分の曖昧な記憶など当てにならないことがよく分かった。


このリムは、専用の「PHRワッシャー」と「Squorx Pro Head ニップル」の組み合わせが必須となっている。DTの注意書きによると、軽量化のためにリムが薄くなっているため、このワッシャーなしではリムが破損する恐れがあるとのこと。
何度もやり直す際に、このワッシャーがひどく鬱陶しく感じられる。潤滑のため、マシーンスプレーをぶちまけてから取り付けたため、ニップルを外すとリム内部にワッシャーが張り付いて残る。それをうまいことスポークホールから取り出すか、さもなければはたき落としてバルブホールに集めてリムを振り、カラカラカラカラ出てくるまで頑張る。

とはいえ、それ以外の作業はかなり楽である。特に、Squorx のトルクスヘッドを回すための専用レンチ(DT Proline Nipple Wrench)がほどよく嵌合し、ニップルをスポークホールに挿す際に取り落とす心配がほとんどない。もっとも、サイズが合えばこれでなくとも良いのではあるが。
組み立ての際はこのレンチだけあればOK。回すのも微妙な力加減もしやすい。通常のニップルだと、爪楊枝か何かをねじ込んでいたが、その必要もない。

組み立て後の調整は、リムテープを貼ってしまうと従来型のニップルレンチを使うことになる。それについても、DT の Classic Nipple Wrench が非常に使いやすい。

同じ会社の工具だから当然なのだろうけど、Park Tool とか他社のニップルレンチと比べると、DTのニップルには素直にはまり、力もかけやすい。もっとも、Park Toolなんかは製品の精度が低いのでそもそも比較にならないが。おまけに品質管理もザルだし。


リムの表面はショットピーニングと陽極酸化処理が行われているようだ。Notubes の光沢処理も良いが、これはこれで気に入った。
そして、Mavic や Notubes に見られるような溶接痕が見当たらない。かなり念入りに仕上げをしているようで、初めからこの形状に成形したかのようである。

今回もDT Competition の白を4本混ぜた。ERDは Flow Ex と同じ537mm、Squorx は15mmなのでスポークは短くするのか?と思ったらそうではない。
15mmというのはニップルの全長のことで、リム表面からの突き出し量は12mmと同じになるため、Flow Ex で使用していたスポークがそのまま使える。

DT にはこの件を問い合わせたのだが回答がなく、どうしようかと悩んでいたところ、こちらのサイトが見つかった。製品の品質はかなり良いDT Swiss だが、顧客対応は今のところハナクソレベルである。

ちなみに、このリムは、日本ではミヤタで取り扱っている。2015/7/18時点で26インチだけだが、価格が驚きの6800円。注文からのリードタイムは分からないが、海外ショップがどんなに頑張っても、日本で買った方が安い。

これだけ安くて高品質なリムなのに、日本での採用事例が今ひとつのようだ。やはりワッシャーを入れなきゃいけないのが面倒で敬遠されているのか?単に知名度が低いだけ?
日本におけるSquorx ニップルの取り扱いは不明。これじゃ客に頼まれたってやりようがない。


[2015/07/21 追記]
Spokes Calculator で、Squorx の選択が可能になった。8月にSpokes Calculator 更新の知らせが来た。認証のみ引き継ぎ、その他は全削除とのこと。

長瀞でどろんこ遊び

スマホで撮影
半年ぶりくらい(?)に長瀞ツアーで走って来た。梅雨の最中で開催が危ぶまれたが、主宰の英断によって開催の運びとなった。

とはいえ、連日の雨のため、路面がそれなりに湿っており、いつもの高速メンバーでありながら、この日は今までにないくらいのスローペース。普段は冷や汗をかきながらついて行くのがやっとな私であるが、今回に限ってはほぼ自分の技量範囲で、路面の変化を感じ取りながら走ることができた。チェーン落ちはもちろん皆無。

唯一残念だったのは、リアタイヤが1本だめになったことである。
ガレ場に入る前かガレ場の途中か覚えていないが、どこかで小石か何かで穴が空き、それに気づかず50cm位の段差でリアから着地したところ、普段のリム打ちとは異なる感触があり、出口に着いたときにはタイヤがブカブカになっていた。

考えてみれば、こんな路面状態なのにも関わらず、ドライコンディションみたいにタイヤがグリップしていたので、その時点でおかしいと思うべきであった。

空気を入れてもらって確認したところ、ビード付近に長さ3mm位の裂け目から盛大に空気が漏れ、シーラントでは塞ぐことができない。やり慣れていないやらなくても良い、ちょいジャンプでとどめを刺してしまったようだ。

主宰から軍手を借り、シーラントでどろどろになりながらチューブを入れ、35PSIで走ることに。「軍手を借り」と書いたが、正確には「借りて、シーラント漬けにして汚したまま返した」である。


翌日、リムを子細に確認したところ、ほんの少々塗装の剥がれ程度の傷が付いていた。縦横の振れはこのホイールを組み立てたときと変わっていなかったため、軽くバリを取って終了。2本目にしては意外とうまく組めているようである。まあ、リムが丈夫ってのが大きいのだろうけど。
それにしても、あのガツンとした着地は非常に良くない。



どろんこ遊びをすると、その後の後始末が面倒だ。現地では荒川でそれなりに洗っておいたが、それでもあちこちに詰まった泥は取り切れない。FDをリリースすると乾いた泥がばらばらと落ちてきた。水に泥とチェーンルブが混ざって、チェーンから墨汁のような液が垂れて床を汚した。

ホイール前後、クランク、BB、シートポスト、ブレーキパッドを外し、目に付く汚れの大半を落とした。川にホイールを浸けたせいで、リム内部に水がたまっていた。リムテープは貼り直しになるが、ちょっと事情があるので、これは剥がしたまま放置。
で、今このような状態。

チェーンも洗浄したので、走る前よりきれいになった。フォークは外していないが、Cane Creek の 110シリーズは "Dual-Seal" クラウンレースがあるので、なかなかベアリングまで汚れが入ることはない。さすがCane Creek、スレッドレスヘッドセットの元祖である。

Lewis LHTというTrickstuff Maximaそっくりさん

 Lewis LHTというTrickstuff Maximaそっくりさんがちょっと話題になってるみたい。 某代理店等は普通に紹介してたけど、「Trickstuff Maximaインスパイアード」「Trickstuff Maxima系」くらいは言っても良かった気がする。日本ではさほ...